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クローズUP

秋田警協マスコット2024.03.21

「ガリット」をお披露目

“がりっと”警備業をPRします――。秋田県警備業協会(辻本光雄会長)は、協会マスコットキャラクター「ガリット」を制作した。1月12日に秋田市内で開催した労働安全祈願祭でお披露目した。「しっかり(やる)、一生懸命(やる)」を意味する秋田弁「がりっと」にちなみ命名された。

昨夏、青年部会(千種学部会長=ALSOK秋田)から警備業の広報に向けてマスコットを制作する案が浮上、理事会は全員一致で承認した。

“幅広い年代にアピールする愛らしいキャラクター”をめざし、青年部会はアイデアを出し合いデザインを決定。制作業者と打ち合わせを重ね着ぐるみを作成した。

協会の加盟各社から愛称を募集したところ92点の応募があった。青年部会で6点に絞り、会長、副会長、総務委員長、事務局で検討し「ガリット」に決まった。制作費は総額で86万円。「警備の日」キャンペーンをはじめ各種行事でPR役を担うこととなる。

青年部会によると「ガリットは秋田県内の警備員たちの使命感と秋田犬の忠実な性格が融合して誕生しました。チャームポイントは“おなかの星”。警備業界を明るい未来へ導く希望の星です」という。

「ガリット」のプロフィールは次の通り。<性別>男の子に見えるが性別はない<誕生日>2023年12月25日<性格>名前の通り何事にも強い意思で真剣に取り組み、正義感にあふれ人情に弱い。なまはげに憧れている。<好物>秋田にある美味しいもの、特に「きりんたんぽ」<原案>秋田県警備業協会青年部会

静岡警協「アテンド事業」試行2024.03.21

公共工事の警備員確保で

静岡県警備業協会(立川勝彦会長)は「建設・土木事業者等と会員警備会社との交通誘導警備員確保のためのアテンド事業」を4月1日から試行する。自家警備を抑止し、協会会員の新規顧客開拓や警備業務受注増につなげる。

アテンド事業は、建設・土木事業者が県内の工事で警備会社3社以上と交渉しても警備員を確保できない場合、次の流れで行われる。

建設業者は、警備業協会ホームページ掲載の「交通誘導警備員のアテンド依頼書」に工事情報や必要な警備員数などを記入、メールかFAXで協会事務局に送信する。協会は同依頼書の情報を全会員に送付。受注可能な警備会社は、個別に建設業者と交渉する――。

同県では、県発注の公共工事を受注した建設業者は、県交通基盤部の「交通誘導員の確保に関する特記仕様書」に明記された厳格な条件を満たした場合に限り、建設業者従業員による交通誘導(自家警備)を行うことができる。

しかし、昨年度実施は1件、今年度も1件と、過去に自家警備がほとんど実施されてこなかった。理由は、建設業者が“警備3社以上と交渉しても警備員を確保できなかった経緯”を書面で静岡警協に提出する必要があるため。書面提出を受けた協会事務局が同情報を会員に伝達したところ、これまで10件以上の受注につながってきた。

同県では深刻な警備員不足を受け2020年9月、自家警備試行について県交通基盤部と県警生活安全部、建設業協会、警備業協会などで協議する「交通誘導安全対策協議会」が設置されている。

特集ワイド 新しい警備制服2024.03.21

警備員は自社の標章(ワッペン)が付いた制服を着て業務を行う。そのため“一人ひとりが会社の看板を背負っている”と言われる。制服は、安全安心を守る適正な業務の遂行に必須であるとともに「警備員の職業イメージ」を一層高めていく上でも大切になる。警備会社の制服が選定・更新されるプロセス、新しい制服導入に込められた経営者の思いについて取材した。

企業警備保障

社員700人のうち交通誘導警備に従事している270人の制服(冬服・夏服)を1月1日に更新した。

更新は、冬服が1996年10月以来で27年10か月ぶり、夏服は2017年5月以来で6年7か月ぶりとなった。選定にあたり、制服の機能性に加えて若年層にアピールするデザイン性の面からも選考が行われた。

採用されたのは持田(大阪市中央区、伊藤清一社長)の次世代警備ウェア「NEOSECURITY(ネオセキュリティ)」のリバーシブルジャケット(MS―J15)、長袖ポロシャツ(MS―P30)、カーゴパンツなどだ。

企業警備保障は2022年11月に経営指針「中期ビジョン」を発表、27年の創業50周年に向けて組織改革などを推進している。人材確保のため警備業のイメージアップが業界の課題となる中、社内改革の一環として新たな印象の制服に切り替える取り組みを昨年春から開始した。

複数の制服販売会社から提案された多くのサンプルをもとに、総務の担当者だけでなく警備員や各部署の担当者もリモートなどで参加し「新制服ミーティング」を重ねた。試着を行い、交通事故防止の視認性、着心地についてヒアリングし、ポケットの数などの意見も集めた上で決定した。

新制服を着用して交通誘導警備を行う隊員からは「ストレッチ性が高い素材で動きやすい」「リバーシブルジャケットは撥水加工がしっかりしていて、少しの雨なら問題ない」などの声がある。内勤者からは「シニアの隊員が着ている姿は、若返って見える。動作も若々しく感じられる」との感想が寄せられている。

また、同社はSDGsの「持続可能な循環型社会」に向けて制服をリサイクルしている。JEPLAN(旧・日本環境設計)が運営するシステム「BRING(ブリング)」を利用。使用済みの制服は回収され、素材に合わせて工場で最資源化された。

東和セキュリティ

「制服検討委員会」を設けて施設警備員の冬服を1月に更新し、3月上旬には新しい夏服を選定・発注した。

委員会は内山社長、総務の社員、警備員で構成。同社は長年にわたり施設警備、交通誘導警備ともブルーを基調とする制服を使用してきた。同社が警備を担当している「浜松医療センター」が新棟を今年1月に開院するにあたって常駐警備員の制服を一新しようと昨年夏に委員会を立ち上げた。

“新しい病院の警備”というコンセプトを複数の制服販売会社に示したところ、6着の提案があった。顧客の意見も取り入れようと病院職員や医療スタッフに投票してもらうとともに、警備員は実物を試着し着心地や機能性などを確かめて投票。その結果、金星(東京都千代田区、石井一史社長)の織柄のダブル・ジャケット(YWJ455w)に決まった。百貨店などで採用実績のある制服で、同センターの警備だけでなく同社が手掛ける施設警備の冬服として導入した。

次いで委員会は夏服の更新に着手。複数社の6着を候補とし、警備員のアンケート投票を行って3着に絞った。意見を踏まえ検討した結果、金星の制服(GSS496t)が選ばれた。

内山社長は「警備員が機能性やデザインなどに意見を述べることは大切だと考えます。自分たちの意見から選ばれた制服を着るのは張り合いがあると思う。身近な警備員の存在感を新しい制服でアピールして、イメージアップにつながれば」と期待を寄せる。

交通誘導警備員の制服も更新を予定し、秋までに冬服、来年にかけて夏服の選定を進める。

ユニバーサル・ガード

若者に“警備員として働く魅力”をアピールする一環として、おしゃれな印象のデニムの制服を導入している。

同社は創業34年目を数え、田崎社長は就任3年目の27歳。「警備員の仕事は“きつい割りに稼げず、高齢者が多い”といった世間の印象を変えていこうと処遇の改善、イメージ向上に取り組んでいます」と話す。

業務はNTT関連の通信工事の交通誘導警備が多く年間を通して安定し、イベント警備も手掛け、30人の警備員全員を月給制の社員とした。人材育成に力を注ぎ資格取得をバックアップする。

社長に就任した2022年1月に新制服を導入。秋冬の制服は自重堂(広島県福山市、出原正貴社長)のブランド・Jawin(ジャウィン)のジャンパー(品番52400)、警備員からは「デザインの良さだけでなく機能性も良く動きやすい」と好評だ。夏服は、小型ファン付き作業服(空調服)で熱中症の予防を図る。

休日には社員たちがオートバイのツーリング、キャンプなどを楽しみ交流を深めていることや、長崎県SDGs登録事業者として海岸の清掃活動を重ねていることなどを自社ホームページとインスタグラムで積極的に発信。複数のメディアから“おしゃれで活力のある地元企業”として取り上げられ、2月20日にはNHKの情報番組の中で10分間にわたり放送された。

田崎社長は「大都市に出て就職する若者は多いが、地元の企業に魅力を感じて就職し、地域ならではの豊かな生活を楽しむ人がもっと増えてほしいとの思いを込め、会社づくりと人材育成に取り組んでいます。自社がメディアで紹介される機会が増えると、求人応募につながります。すると求人広告費を節約できるので社員の福利厚生に還元して、さらに会社の魅力を発信できる好循環が生まれています」と話した。