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クローズUP

3か月遅れの入社式2020.7.11

「Zoom」で支社に配信 シンコーハイウェイサービス

“春の門出”を3か月遅れて祝福――。高速道路での規制警備業務などを行うシンコーハイウェイサービス(東京都八王子市、坂本健造社長)は6月20日、2020年度の「シンコーグループ入社式・社員総会」を都内のホテルで開催した。

例年はグループ社員150人余りが一堂に会し、新人の成長と定着を願って盛大に歓迎する。今年も3月20日に開く予定だったがコロナ禍で延期。緊急事態宣言の解除を受け実施した。

「3密」回避のため式典参加者は40人にとどめ、ウェブ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を活用。グループ会社合わせ32営業所の社員が参加した8会場に式典の様子をリアルタイムで配信する異例の形式で行った。

同社は、長期的に企業の核となる人材の育成を図るため5年ほど前から新卒採用に取り組んできた。今春は高校・大学の新卒者4人が入社、男性2人が業務支援部に、女性2人が総務部と経理部に配属された。

坂本社長は「本日、全社員がズームを通して4人の皆さんの名前と顔を覚えました。シンコーグループの一員として自覚を持って業務に取り組んでほしい」と激励の言葉を贈った。

新入社員を代表し経理部の西堀有紀子さん(23)が「研さんを重ねて、来年度入社してくる後輩の助けになれるよう新入社員一同、全力で取り組みます」と力強く誓いの言葉を述べた。 

「警察庁長官・全警協会長連名表彰」2020.7.11

県警本部長が伝達 青森警協・佐々木氏を祝福

全国警備業協会(中山泰男会長)の総会で“警備業功労者”として「警察庁長官・全警協会長連名表彰」を受賞した佐々木仁氏(三沢警備保障代表取締役社長=青森県警備業協会副会長)に7月2日、村井紀之青森県警本部長から同連名表彰が伝達された。

6月10日に都内で開催された全警協総会は、コロナ禍のため規模を縮小、長官・会長連名表彰など各種表彰式も中止となり、表彰状は受賞者所属の都道府県警備業協会に送付された。

青森警協(柿﨑忠雄会長)は、長官・会長連名表彰が栄えある表彰であることから県警本部と協議、本部長からの表彰状の授与(伝達)となった。

青森市内の県警本部本部長室で行われた伝達式には、県警から村井本部長、鈴木誠生活安全部長、青森警協から柿﨑会長、新山博毅専務理事、受賞者の佐々木氏が出席。例年は警察庁長官が読み上げる表彰文を村井本部長が代読、表彰状を手渡した。

特集ワイド2020.7.11

ALSOKグループ2社 管制業務を効率化

現場への直行直帰が多い警備業では、上番・下番・定時連絡の報告が同じ時間帯に集中し、管制スタッフは対応に追われている。ALSOK(東京都港区、青山幸恭社長)のグループ会社2社は、シフト&勤怠システムを導入して警備員の勤怠管理を自動化、管制業務の効率アップに成功した。各社のシステム導入の経緯と効果を取材した。

2社は、ALSOK京(けい)滋(じ)(京都市下京区、永野正社長)とALSOK福島(福島県郡山市、前田泰彦社長)。導入したのはKYODOU(東京都千代田区、澤橋秀行社長)のシフト&勤怠システム「シフトマックス」だ。

警備員の連絡忘れや遅刻の改善に効果

ALSOK京滋では昨夏まで、警備員から受ける一日約200件の電話報告が管制スタッフに大きな負担となっていた。日勤の場合は朝夕の上下番と作業終了報告、夜勤の場合は上下番と2回の定時連絡が、同時刻に集中して入る状況だった。

管制業務は、平日の昼間は2人、夜間と休日は1人が担当した。電話対応に追われるため、各現場における警備員の状況把握など本来の業務に集中できず、報告を受けてそのままにしてしまうヒューマンエラーが起こる懸念もあった。

課題解決に向け警備部・街(つじ)孝行部長は、勤怠システム導入の検討を始めた。多くのシステムを調査した結果、ALSOKの総合事務部SS事務課が協力会社の常駐臨時警備の勤怠管理を目的に導入していた「シフトマックス」が第一候補にあがった。KYODOUの担当者に機能や効果の説明を聞き、抱えている課題を解決でき、サポート体制がしっかりしていることを確認し決定した。

システム導入前には警備現場の責任者を集めて使い方の講習会を行った。「シフトマックス」は、警備員が携帯電話やスマートフォンで音声ガイダンスに従って番号をプッシュするだけで報告が完了する。受講後に責任者は操作内容を持ち帰り警備員に伝えたところ、はじめはとまどっていた高齢の警備員も、操作がシンプルであることからすぐにマスターできた。

同社は昨年10月にシステムの本格稼動を開始した。社内では報告時間になっても電話が鳴らず状況が一変した。警備部・小塩克之警備課長は効果を次のように語った。

「隊員から連絡が入らないときには管制のアラームが鳴りますから、連絡忘れや遅刻の改善に効果があります。それはユーザーからの信頼向上につながります」。

管制スタッフの西村太郎氏は「集中する電話連絡に対応することがなくなり、業務に余裕が生まれました。深夜の仮眠時間も十分とることができ健康管理に活かせます。隊員も報告のために待たされることがなくなりストレスが削減されたようです」と話す。

シフトマックスを使った報告は、ガイダンスに従うボタンプッシュ方式以外にメールを使用する方法もある。スマートフォンの普及率の増加に従って、メールによる勤怠報告を行う警備員が増えてきたという。

働き方改革の推進にも活用

ALSOK福島の管制スタッフはこれまで2人体制で、警備員の自宅出発・上下番の報告を一日約300件、電話で受けていた。

スタッフは、時間帯で集中する連絡を受けることで事務作業を定時内に処理しきれず、残業することも度々あった。同社常駐警備部は、煩雑な管制業務の効率化と、時間外労働上限規制など「働き方改革」への対応も視野に入れて、昨年1月から勤怠システムの導入を検討し始めた。

常駐運用課・清野春美課長は、課内で話し合いながら数ある勤怠システムを比較検討し、警備業に特化しており多くの警備会社で実績がある「シフトマックス」を採用することに決めた。

清野課長は基本データの登録方法などについてKYODOUのサポートを受けながらシステム導入に向けて準備を進めた。まず昨年4月から3か月間、同社内に限定してテスト運用し、7月からは協力会社にもシステムを広げ本格稼動を開始した。

同課長は「シフトマックスは、各隊員の勤務実績をリアルタイムに取り出せる機能があります。臨時警備の時間や件数の集計が容易にでき、協力会社からの請求時に勤務実績と請求内容の照合が効率的に行えるようになりました。勤務実績は警備員の労働時間を管理し働き方改革を推進するための勤怠情報として活用できます。導入してみると“費用対効果”は想像以上に高かった」と成果を語った。

同課・和田麻依氏は「携帯電話やスマホからの報告はフリーダイヤルを利用しますので、隊員に通信料の負担をかけることはありません。電話が鳴らなくなり仕事に集中できることから時間外労働がなくなりました」と話す。

同社では、導入前は警備員から電話で受けた内容をグループウエアに入力し、掲示板で情報共有する仕組みを構築していた。導入後は、警備員からの報告が自動的に入力され、各自のパソコンから共有できるようになった。今後はシフトマックスを給与システムと連携させ、給与計算の自動化を図るなど、次のステップを考えたいという。