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クローズUP

瀬戸内越え災害支援 2019.7.1

四国地区連が意見交換

四国地区警備業協会連合会(北川豊彦会長=香川警協会長)は6月13日、高松市内で「2019年度通常総会」を開催した。四国4県の各県協会会長と専務理事、全国警備業協会から福島克臣専務理事と小澤祥一朗総務部次長が出席した。

北川会長は、人手不足問題について「若者が警備業界に目を向け、進んで就職先の選択肢の一業種としてもらうため、あらゆる努力が必要だ。さらに継続雇用年齢70歳の時代が目前に迫っており、定年の延長や企業を退職した人の労働力を獲得する必要にも迫られている」と指摘した。

働き方改革については「人員不足での労働基準法改正により、会社を経営していく上での危機が迫っていることを実感してほしい」と述べ、地区全体で団結した取り組みを求めた。

今秋の四国地区連臨時総会は、中国地区警備業協会連合会(村本尚之会長=広島警協会長)と岡山市内で合同開催する予定だ。そこで議題となる「瀬戸内海を越えた災害支援活動への取り組み」について、意見交換を行った。各県会長から次のような意見があった。

▽地区合同の話し合いは貴重な機会だ。議題は災害支援に限定せず、人手不足対策や青年部会の活動などに広げてはどうか。

▽被災地の防犯活動を行う際に青パト申請に時間を要する。侵入事案は災害直後に多く発生することから、協会で前もって申請と要員の確保をしておけば迅速に対応できるのではないか。

「警備士」の認定制度2019.7.1

福岡警協、地区連で報告

「人手不足に尽きる」。6月26日、福岡市内で開催された九州地区警備業協会連合会(折田康徳会長=福岡警協会長)の定時総会で、折田会長は開口一番、警備業の課題をこう指摘した。

その上で、警察庁の警備業法施行規則改正に触れ、「教育の合理化はありがたいことだ」と、警備員の養成時間短縮に歓迎の意を示した。

九州・沖縄各県警協の会長と専務理事や事務局長、全国警備業協会の福島克臣専務理事、小澤祥一朗総務部次長が出席した同総会では、各県の新・旧年度の活動などが報告された。なかでも注目を集めたのが福岡警協の新事業「警備士認定制度」。警備員を「警備士」と呼称することでイメージアップと警備員自身の自覚を促そうというものだ。

一部の警備会社では、自社警備員を警備士と呼ぶ例もあるが、“協会認定”とすることで対外的な根拠を明確にする。同時に、警備員は法律による資格要件(欠格事項に該当しない)と新任・現任の両教育が義務付けられた有資格者ということも広くアピールする。

認定の要件は福岡警協加盟社に所属する警備員で、各社が協会に申請、審査を受けたのちに「認定証」と「警備士章」(バッジ)が交付される(ともに有料)。

認定対象者の数や勤続年数、検定資格の有無などは各社の判断に任せるが、悪質な使用防止のために「警備士」の商標登録を出願中だ。

制度を説明した福岡警協の谷正人専務理事は、九州全体での取り組みを呼び掛けた。

特集ワイド 熱中症防ぐ警備へ2019.7.1

記録的な猛暑となった昨年、警備業の熱中症による死傷者数は前年の約3倍となり、屋外で業務中の警備員3人が死亡した。これにより、警備現場での熱中症対策がまだ十分ではないことが浮き彫りとなった。真夏に過酷な環境下で業務を行う警備員の熱中症予防のための、最新アイテムを紹介する。

金星(東京都千代田区、石井一史社長)は、爽やかな冷気を衣服の中に送り込むパーソナルクーラー「コンパ」の新型「コンパO(オー)」を発売した。

前タイプと比較してサイズは40パーセントと大幅にコンパクトになり、冷却性能は2倍にアップ。背中全体に冷気を行き渡らせる拡散性も向上させた。従来の本体を背負う“バックパック型”から、作業の自由度を向上させた“腰付け型”になった。

3Dプリンターを使用しパーツ点数が少ない一体成形で、オリジナルの形状と性能を実現させた。使用環境にもよるが、バッテリー持続時間は8時間、保冷剤持続時間は4時間が目安で、保冷剤は簡単に交換できる。価格は3万2500円(税別)。

金星はほかに、真夏の警備を快適に行える“長袖カッタータイプ”の警備服「TSS445t」も発売した。胸ポケットの上と背中上部の位置に左右対の“立体ベンチレーション”を設け、裾を出して着るタイプなので通気性に優れている。生地は、べたつき感がなく快適な着心地を得られる素材を使用した。

ほかに吸水性・速乾性が高いニットを使用した“半袖ポロシャツタイプ”の警備服「PSSシリーズ」も新たに発売した。

▽問い合わせ先
金星☎03―3511―8441

りょうざい屋(甲府市、秋山高広社長)は、猛暑の屋外作業の熱中症対策に効果がある保冷ベスト「ホレイベストV3」を発売中だ。

専用保冷剤2個を左右の胸に、1個を背中にセットする。保冷剤は保冷構造と化学成分を見直し、35℃以上の環境での冷却能力をさらに向上させた。その結果、保冷時間は前タイプより30〜40分以上長くなり、35℃以上の環境で快適保冷が3〜4時間持続する。警備服の中に着用するため冷気が閉じ込められ効果的で、使用していることが目立たない。価格は8450円(税別)。

保冷剤を前面2個、背面2個セットする「ホレイベストスーパー」も発売中だ。

▽問い合わせ先
りょうざい屋☎055―241―8003

ポカリの新作〝飲む氷〟

“深部体温”に着目して開発された、大塚製薬の「ポカリスエットアイススラリー」が新たな熱中症対策飲料として注目される。

熱中症は、一般的に体内に熱がこもることで深部体温が上昇し発症する。汗が乾きにくい高温・多湿の環境下などでは体温調節機能が働きづらく熱中症になりやすい。このような状況では水分や電解質の補給に加え、身体の内側から直接冷やすことが有効な対策となりえる。

「アイススラリー」とは液体と細かい氷の混合物で、通常の氷に比べ身体の冷却効果が高いと言われている。実際に海外の軍隊や消防隊員などでは活動途中にスラリー状の飲料を摂取しているという。

大塚製薬ではポカリスエットならではの電解質バランスにこだわり、常温保存が可能で、必要時に家庭用冷蔵庫でも液体から再冷凍させてスラリー状にする独自技術(マイナス18℃では約4時間)を開発。同社では、警備業のように暑熱環境下でも制服の着用が必要で、屋内(冷所・日陰)での休憩がなかなか取れない作業において、ポカリスエットアイススラリーの活用を勧めている。こまめな電解質と水分補給による通常の熱中症対策に加え、作業前と昼食時、午後の休憩の3回、アイススラリーを摂取する。プレクーリングとして作業前から身体を芯から冷やし、熱中症対策につなげていきたい。

ポカリスエットアイススラリーは1袋100グラム入り、価格は税別180円。製品に関する問い合わせは大塚製薬お客様相談室(0120―550―708)まで。

気化熱が心地よい2製品

中央労働災害防止協会(中災防、会長=中西宏明・日本経団連会長)は、厚生労働省と5月から9月末までを期間とする「STOP!熱中症 クールワークキャンペーン」を展開中だ。

中災防は期間中、熱中症予防対策シンポジウムや予防対策セミナーを全国主要都市で開催するとともに、厚労省通達に基づいた「熱中症予防労働衛生教育インストラクター」養成講座も開催する。また、熱中症予防に関する参考図書や用品の紹介など各種情報提供も行っている。

中災防が今夏、職場での活用を勧めているのが「マジクール」と「クイッククール」。

マジクールは、水を含ませて首に巻く「ネッククーラー」。水が蒸発する際に熱を奪う“気化熱”を利用、濡らしたタオルを首に巻いたような涼感を長時間得ることができる。

素材は、同種製品の中で最も冷感効果の高い超微細ポリマーを使用、表面生地には冷却効果を最大限に引き出して肌触りにも配慮した厳選のコットンを採用した。繰り返し使え、冷感持続時間は約20時間など他社同種製品を寄せ付けぬ品質を誇り、防衛省などプロの現場でも採用。中災防では、より冷却効果の高い「マジクールEX」(税込み1058円)を扱っている。

クイッククールは、風でミストの蒸発・吸熱を促進し、肌表面の温度を急速に冷却する小型ソフトファン。

ウォータータンクに水を入れて送風、ミストレバーを押すと微細ミストが出る。単3アルカリ乾電池1本で最大連続3.5時間稼働でき、ウォータータンク満タンで約100回ミスト可能だ。

中災防は、ミストと扇風機を組み合わせることで、休憩時間など限られた時間でも気化熱により体の表面温度を効率的に下げることが可能だとしている。価格は950円(税込)。

▽問い合わせ先
中災防企画開発課 ☎03―3452―6847