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クローズUP

「防災力」高めよう2019.9.01

災害に備え技能交流

災害に備えて互いの技能を教え合う――。駒込警備業協議会(橋本秀吉会長=新北斗警備保障)は8月20日、夏期防災・防犯訓練を東京都文京区の警視庁駒込警察署で開いた。

橋本会長はあいさつで「今後30年以内に東京で大地震が起きると言われている。大災害に備えて地域全体の防災力を向上しよう」と呼び掛けた。訓練には駒込署や東京消防庁本郷消防署、自衛隊や地元町内会なども参加。それぞれの組織は、災害時や緊急時で役立つ技能や知識を参加者同士で教え合った。

駒込警備業協議会の会員は、AEDの使い方を地元町内会から参加した住民に説明した。AEDに不慣れなため操作をためらう人に対して、指導した駒込協議会の福島正人副会長(センチュリー)は「機器から発せられる音声通りに行動すれば失敗することはありません」と説明。参加者は説明に従い操作を完了することができた。

本郷消防署署員はビニール袋を使った三角帯の作り方やバンダナを使った止血方法を紹介。駒込協議会会員はバンダナを5センチメートルほどの幅に折り、傷口より心臓に近い動脈部分をきつく縛る止血方法を身に付けた。

駒込警察署員は刺又の使い方を解説した。同署員は、刺又使用で最も重視しなければならないのは自分の身の安全を守ることだと説明。不審者が刃物などを持って向かってきた場合は、相手の動きを封じたのち、すぐにその場から逃げることが大切だと述べた。

求人票への苦情6千件2019.9.01

ハローワーク

2018年度、全国のハローワークに「求人票の記載事項と実際の労働条件が異なる」と求職者から苦情や申し出があったのは6811件だった。前年度に比べ20パーセントの減少となり、15年度から4年連続で減少。

相談・苦情の内容は「賃金に関すること」が最も多く30パーセント。次いで「就業時間に関すること」(23パーセント)、「職種・仕事の内容に関すること」(17パーセント)、「選考方法・応募書類に関すること」(13パーセント)、「休日に関すること」(12パーセント)など。

調査の結果、求人票の記載内容と労働条件が実際に異なっていたのは2967件。産業別では、「医療・福祉」が最も多く1134件。次いで「卸売業・小売業」の1056件など。警備業が含まれる「サービス業(他に分類されないもの)」は913件だった。

ハローワークは、求人の受理時に適法性や正確性を確認し、求人条件と採用条件に相違がある場合は必要に応じて是正を指導。法違反のおそれがある場合は、労働基準監督署とも連携、紹介の保留や求人の取り消しなどを行っている。

高齢労働者の安全確保へ2019.9.01

厚労省 有識者会議が初会合

厚生労働省は8月5日、千代田区霞が関の同省内で「人生100年時代に向けた高年齢労働者の安全と健康に関する有識者会議」の初会合を開催した。会議は労働組合や企業の安全衛生担当者、産業医など18人の委員で構成、座長には日本大学理工学部の城内博・特任教授が就いた。

あいさつで同省労働基準局の村山誠・安全衛生部長は、人手不足を背景とした産業現場での高齢者への期待の高まりを述べつつも、増加傾向にある高齢者の労働災害に憂慮を示した。村山部長は「年内にも(対策の)方向性を示していきたい」と、高齢者の安全確保へ向け迅速に対応していく意向を述べた。

同会議の設置は、今年6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2019(骨太方針)」で「サービス業で増加している高齢者の労働災害を防止するための取り組み推進」、「成長戦略実行計画」で「高齢者の安全・健康の確保など高齢者が能力を発揮し、安心して活躍するための環境を整備する」が、それぞれ盛り込まれたのを受けたもの。高齢者の労働災害防止や身体機能向上のための健康づくりが、政府の重要課題の一つとなっていることが背景にある。

高齢者の労働災害の現状は、休業4日以上の死傷者数で60歳以上が占める割合が増加傾向にあり、2018年は「4人に1人が60歳以上」という状況。脳・心臓疾患につながるリスクのある血圧や血糖、脂質などの結果を含めた一般健康診断での有所見率は全労働者の半数を超え、関連する疾病の有病率は年齢が上がるほど高い。事故の型では、高年齢化の影響もあり、転倒災害や腰痛が増加傾向にある。

有識者会議では、トヨタ自動車(愛知)とJFEスチール西日本製鉄所(岡山)での高齢者の安全確保へ向けた取り組みが報告されるとともに、今後の検討に当たっての課題について意見を交わした。

同会議では今後(1)高齢者特性に配慮した効果的な安全衛生教育のあり方(2)高齢労働者の労働災害防止に向けた安全対策(3)高齢者の健康確保対策――などについて検討していく。