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クローズUP

安全優良職長2019.02.01

警備員2人が受賞

厚生労働省は1月11日、2018年度の「安全優良職長厚生労働大臣顕彰」の顕彰式典を、東京千代田区の同省内で開催した。

安全優良職長は、優れた技能と経験を持ち、担当する現場や部署で作業の安全を確保して優良な成績を挙げた職長のこと。安全活動の活性化を目的に1998年度からスタートした。

式典では、髙階恵美子副大臣が受賞者140人一人ひとりに顕彰状を手渡し、労苦をねぎらい、今後の活躍に期待を寄せた。

警備業からは橋本真由美さん(福島、光警備保障=佐藤勝利社長)と原丈久さん(静岡、セーフティガード=萩原邦彦社長)の2人が受賞した。両氏ともに43歳で交通誘導警備業務に20年以上従事、現場の労働災害防止に取り組んできた。

青年会議所に「警備業部会」2019.02.01

若い発想力で業界発展めざす

1月18日、日本青年会議所(JC、鎌田長明会頭)内に警備業部会が発足した。全国で警備業などを営むJC会員が、若い発想力で安全安心な社会の構築と警備業の発展に取り組む。

部会の正式名称は「日本JC防犯警備部会」。全国のJC会員で警備業やビルメンテナンス、防犯機器販売などの企業経営者や経営幹部13人が入会した。全国では現在、100人超のJC会員が警備業を営んでおり、今後、さらに入会を呼び掛けていく。

初代部会長には発起人で元日本JC副会頭の渡康嘉氏(鹿児島、南国警備)、副部会長に佐藤平八郎氏(茨城、ジェイエスケイ)、事務局担当に土岐達也氏(長崎、アスカ)が、それぞれ就任した。

部会の目的には「国内JCメンバーが集い、警備業務と防犯システムを強化するとともに、若い発想力で安全安心な社会を構築する」を掲げる。

今後の主な事業は、防犯・防災に関する(1)調査・研究(2)勉強会(3)会議・意見交換――など。今年度は日本JCの「サマーコンファレンス」(各界の専門家を招いて行うフォーラム)での業種別部会の特設ブース会場で、警備・防犯・防災に関する商談会を開催するほか、勉強会や懇談会を開催する。

渡部会長は「社会の進展とともに不法行為や市民生活を脅かす不適切事案も悪化の一途をたどっている。現状の警備業務・防犯システムを強化するとともに、青年会議所の若い発想力で時代の変化に強い安全で安心な社会を構築すべく、部会を設立したい」と設立の趣旨を説明。具体的な取り組みとして、法改正への提言や優れた警備ノウハウの共有など“新しい警備の形”の創造を挙げた。さらに「都道府県警備業協会ができない部分を担っていき、警備業協会とともに業界の発展に尽力する」と述べ、今後の活動への理解と協力を求めた。

特集ワイド 警備業 働き方改革2019.02.01

昨年6月、「働き方改革関連法案」が国会で可決・成立し、警備業界でも今年4月1日から8つの労働関係法令が順次施行される。その内容を理解し備えるため、東京都警備業協会多摩地区(阿部秀樹担当理事)は1月9日、社会保険労務士・北岡大介氏を講師に招いて「警備業における働き方改革関連法の課題と対策」と題した研修会を開催した。北岡氏の講演内容と質疑応答の概要をまとめた。

この研修会では、「働き方改革関連法」の筆頭である「労働基準法」から、「時間外労働の上限規制」と「年次有給休暇(年休)の使用者による時季指定義務」についてお話しします。

“働きすぎ”を防ぎながら、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)と多様で柔軟な働き方を実現するため、長時間労働をなくし、年休をとりやすくし、個々の事情にあった生き方を目指すことが今回の改正の目的です。

時間外労働の上限を法律で規制することは、「労働基準法」が70年前の1947年に制定されて以来、初めての大改革となります。改正後は法律で36協定を定める際の時間外労働の上限を明確に定め、これを超える時間外労働はできなくなります。

残業時間の上限は基本的に月45時間・年360時間とし、臨時的な特別な事情がなければこれを超えることはできません。この原則を超えることができるのは、年間6回以内までと決められています。

臨時的な特別な事情があっても年720時間以内、および2・3・4・5・6か月の5つの月平均が法定休日労働を含めて80時間以内、単月では法定休日労働を含めて100時間未満を基準とします。法定休日労働と時間外労働はこれまで別々に管理してきましたが、今回の改正で合算して確認する必要があります。

働き過ぎの防止策の一環として、中小企業における月間60時間を超えた残業に対する割増し賃金率も2023年4月以降、25パーセントから50パーセントに引き上げられます。

時間外労働の上限規制は、大企業は19年4月1日、中小企業は20年4月1日に施行されます。以降は「1分1秒の労働」が法違反となる可能性があり、各社で労働時間管理の精度を高めなければなりません。

交通誘導は適用猶予業種

36協定に関する所轄労働基準監督署長への届け出については、特別条項を定める場合、限度時間内の時間外労働についての届出書と限度時間を超える時間外労働についての届出書の2枚が必要です。「延長することができる時間数」は法定労働時間を超える時間数と所定労働時間を超える時間数の両方を1日・1か月・1年単位で記入します。限度時間を超えて労働させる場合にとる手続きについても同様に定め、届け出に記入する必要があります。

改正労基法は「工作物の建設等の事業」を適用猶予業種に定め、施行から5年後つまり2024年に罰則付きの時間外労働規制が適用されます。警備業では建設現場等における交通誘導警備が、この適用猶予業種に該当します。

事前に予測できない大災害が発生した場合など、救護・復旧活動などで多大な時間外・休日労働を余儀なくされることがあります。この場合、現行労基法33条で事前または事後の行政官許可をもって時間外労働の延長を認める制度があります。

心身のリフレッシュを

日本では年休をとりたがらない従業員がいますが、海外諸国からは「なぜ日本人は自分の権利を使わないのか」という疑問の声もあるようです。 

労働基準法では、従業員の心身のリフレッシュを図ることを目的として、毎年一定の年次有給休暇を与えることを規定しています。すなわち雇い入れの日から6か月継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した従業員には、年10日の年休が付与されます。パートタイム労働者など所定労働日数が少ない従業員についても、所定労働日数に応じた日数の年休が与えられます。

今回の労基法改正では、2019年4月1日から全ての企業において、年10日以上の年休が付与される従業員に対して、年休の日数のうち年5日については、必ず使用者が従業員の意見を尊重し時季を指定して取得させなければなりません。

ただし従業員が自ら年休を取得した場合、また労使協定を定めて計画年休制度を導入し従業員全員が5日の年休をとっている場合などは使用者が年休を指定する必要はありません。

従業員本人が年休をとりたがらない場合でも、会社側は年10日の年休が発生してから1年以内に年休5日の時季指定をすることが義務づけられます。使用者は従業員ごとに「年休管理簿」を作成し、年休の取得状況について3年間保存しなければなりません。

中途採用などで雇い入れ日が従業員によって異なる職場では、会社側の年休管理が煩雑になりがちです。そこで入社2年目以降の従業員の起算日を全社的に統一するよう再設定することもできます。その場合、重複が生じるそれぞれの期間の長さに応じた年休日数を取得させることが認められています。