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クローズUP

18人の冥福祈り献花2023.11.11

全国警備業殉職者慰霊祭

全国警備業協会は11月2日、東京都内で2023年度の「全国警備業殉職者慰霊祭」を執り行った。業務中などに労働災害で亡くなった警備員の遺族、会社関係者や都道府県警備業協会の会長ら70人が参列。殉職警備員の冥福を祈り、志を受け継ぐことを誓い、祭壇に献花した。

慰霊祭は全警協の創立50周年を契機として今年2月から行い2回目。14〜18年度と22年度に労災認定を受け合祀に遺族が同意した18人を新たに祀った。冒頭で全警協の黒木慶英専務理事が殉職者名簿を祭壇に奉納した。

中山会長は式辞で「昼夜分かたず精励する中で、志半ばで職に殉ぜられた。警備員としての誇りと使命感を、身をもって示された」と述べた。

黙とう後、警察庁の檜垣重臣生活安全局長は「国民が安全で安心して暮らせる地域社会の実現に全力を尽くしていく」、全警協の佐々木誠労務委員長は「生活安全産業の一員として最善の努力をしていく」と、それぞれ追悼の辞を述べた。

関係者代表としてセキュリティー(岐阜市)の幾田昌美社長は、夜間通行規制の業務中に43歳で殉職した自社警備員を「現場におけるリーダーだった。全エネルギーを当社のためにささげてくれた」と悼んだ。

近畿警備保障(岡山市)の松尾浩三社長(岡山警協会長)は、警備中に豪雨災害で亡くなった61歳、67歳の自社警備員を「恐怖と不安でいっぱいの一般市民を励まし続け、救助にあたってくれた」とたたえた。

柿﨑氏(青森警協会長)に旭日双光章2023.11.11

政府は11月3日付けで、「2023年・秋の叙勲」の受章者を発表した。警備業からは青森綜合警備保障(青森市)代表取締役会長で青森県警備業協会会長の柿﨑忠雄氏(75)が、旭日双光章を受章した。警備業界の受章者は34人となった。

柿﨑忠雄(かきざき・ただお)氏は、青森銀行、柿﨑商店の勤務を経て、1993年5月に青森綜合警備保障(青森市)に入社し理事に就任。2002年に代表取締役社長、22年に代表取締役会長に就任した。

03年5月に青森県警備業協会の第5代会長に就任、現在まで10期20余年を務める。03年5月からは青森県警備事業協同組合理事長も務めている。

警協会長としての主な功労は、06年に青森県警と「安全・安心パトロール隊『こども110番の車』の活動に関する覚書」を締結、会員47社の車両228台に「こども110番の車」のステッカーを貼り日常業務を通じて県内全域を対象とした安全パトロールを実施。13年には県と「家畜伝染病発生時等における交通誘導警備業務等に関する協定」を結んだことなどが挙げられる。これまで県内で発生した高病原性鳥インフルエンザ6件全てにおいて、県知事からの協力要請を受け、交通誘導警備員が迅速に消毒ポイントに出動し24時間体制で感染拡大防止に貢献した。

会社の功績では、県内企業や主要施設における機械警備業務をはじめ原子力関連施設などの常駐警備業務、青森空港・三沢空港の保安検査、大手金融機関の委託による貴重品運搬警備業務、「青森ねぶた祭」など大型イベントの雑踏警備業務に携わり、県内警備業のリーディングカンパニーとしての役割を果たした。

東日本大震災では災害対策商品を販売し、20年からの新型コロナウイルス感染拡大では空調清浄機など対策商品を販売。警備業務に留まらず「地域に安全安心を提供する」をモットーとした事業を展開し20年に創立50周年を迎えた。

主な受賞歴は、07年1月に青森県警本部長・青森警協会長連名表彰(警備業功労)、10年5月に全警協会長表彰(警備業功労)、22年11月に全警協会長表彰(全警協委員長功労)などがある。

特集ワイド
福井県警備業協会創立50周年記念式典2023.11.11

福井県警備業協会(田﨑真弓会長)は10月23日、福井市内で創立50周年記念式典・祝賀会を開催した。関係機関・団体から招かれた来賓、福井警協加盟会員や講師ら95人が出席した。安全安心と業界の発展に尽力した関係者への感謝とともに、さらなる飛躍を誓う節目の集いとなった。

式典では実行委員会の水戸守一岳委員長(福井警協副会長)が開会を宣言。国歌斉唱に続き田﨑会長があいさつした。来賓のうち4氏による祝辞(別項)、祝電が披露された。

功労者表彰では、福井県警察本部の丸山潤本部長、全国警備業協会の中山泰男会長からの感謝状がそれぞれ福井警協に贈られた。また、警備員の育成に尽力した特別講習講師らには田﨑会長が会長表彰を贈った。

田﨑会長式辞

このたび、一般社団法人福井県警備業協会が創立50周年の大きな節目を迎えることができましたことは、たいへん喜ばしいことで協会を代表しまして厚く御礼申し上げます。

また、本日は丸山福井県警察本部長をはじめ、青木福井労働局労働基準部長、島田福井市消防局長、黒木全国警備業協会専務理事ほか多数のご臨席を賜り、心より厚く御礼申し上げます。

当協会の歴史について顧みますと、昭和47(1972)年5月に業界の発展を図るため、県下の4業者が集まり「福井県警備保障企業連絡協議会」を結成しました。その後、発展を続け、平成24(2012)年には一般社団法人となり、本日創立50周年を迎えることができました。

今では会員数56社、警備員数3600人を超える一大組織にまで成長し、安全安心産業として確固たる地位を築くことができました。これもひとえに関係官庁のご指導ご支援のたまものであり、会員の皆さま方の努力の成果であることと、改めて感謝申し上げます。

当協会は平成30(2018)年に開催された福井国体での警備成功、各地域において行われる祭礼や大規模イベントなど、数多くの警備実績により、社会全般に安全安心産業として定着しています。しかしながら、いまだ自然災害やテロの脅威など社会不安は後を絶たず、ますます安全安心に対する関心は高まってきているところであります。

そのような中、わたしたちがエッセンシャルワーカーとしてさらなる発展を遂げるため、警備員一人ひとりが誇りと使命感を持って質の高い業務遂行を行っていくことが重要であると考えています。

そのためにも適正料金による経営基盤の強化、警備員教育の充実による警備員の資質向上や処遇の改善、デジタル化への対応などに業界全体として取り組み、数多くの課題を克服していかなければならないと決意を新たにしているところです。

当協会としましては、この創立50周年を契機に会員一同、一致団結してこれらの課題を克服し、社会的役割と責任を果たしていく所存です。どうか今後とも変わらぬご指導ご支援を賜りますようお願い申し上げます。