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初の「警備の日」全国大会2016.11.11

3警協が取り組み報告
模範警備員を表彰

11月1日は「警備の日」――全国警備業協会(青山幸恭会長)は初の「〈警備の日〉全国大会」を2日、都内で開催した。都道府県警備業協会の幹部など約120人が参加した。大会では人命救助などで活躍した警備員に対する表彰のほか、宮城、岐阜、大阪の各警協の警備の日での取り組みが報告された(5面に関連記事)。

青山会長は開会挨拶で「〈警備の日〉制定から2年目の今年、部外広報の活発化のために初の全国大会を開いた。業界は、少子高齢化に伴う人手不足、単価の問題、ダンピング防止、警備員の給与のアップ、待ったなしの社会保険未加入問題など難しい時期にあるが、業界を支える警備員に多く入ってもらい、その人たちがちゃんとした暮らしができるようにしていかなければならない」と、〈警備の日〉を機とした警備業の対外的なPRで、警備業の現状についての関係者の理解促進を図り、各種改善につなげていくことを求めた。

種谷良二・警察庁生活安全局長の来賓挨拶に続き、警備業の発展に貢献した2つの表彰が行われた。

1つは平成27年7月から28年6月末までの1年間、特別講習の講師研修会などに全警協「技術研究専門部会」の部員として自社の社員を積極的に参加させた企業と、同部員として参加した個人を、教育事業に多大な貢献をしたとして表彰する「教育活動特別功労表彰」。

もう1つは、同1年間に人命救助や初期消火、容疑者の確保などで、警察や消防、自治体などから表彰された「顕著な功労があり、模範となる警備員に対する表彰」。それぞれの受賞者には、青山会長が直接賞状と記念品を手渡し、その労をねぎらった。

また、岐阜警協の幾田弘文会長が「子ども絵画・作文及び写真コンクール」、宮城警協の田中政孝専務理事が「2016警備業セキュリティフェア」(11月1日号既報)、大阪府警協の原田光生専務理事が振り込め詐欺防止啓発活動と連携した〈警備の日〉PR活動を、それぞれ報告した。

大阪府警協・原田専務理事は、平成17年に全国に先駆けて同協会が制定した〈警備の日〉について、背景や、これまでの啓発活動について紹介。19年から近畿2府4県の近畿地区警備業協会連合会(近畿地区連)の事業として取り組むこととなり、毎年作成を続けた啓発ポスターづくりの苦労などを語った。

同氏は「警備業の社会的地位や警備員の処遇はまだまだと言わざるを得ない。〈警備の日〉という全国共通の啓発活動の日が設定されたのを機に、生活安全産業としての警備業の啓発活動展開し、社会的地位向上と処遇改善に地道に取り組んでいく」と、「警備の日」を活用した継続的な活動を強調した。

そのほか、全警協「基本問題諮問委員会(委員長=青山会長)」の調査部会で部会長を務める藤本哲也・中央大学名誉教授が、「警備業の将来展望について」と題して記念講演を行った。

秋の叙勲
松田敦嗣氏(大阪警協前会長)に旭日小綬章2016.11.11

平成28年秋の叙勲が11月3日、発令された。警備業からは日本警備通信代表取締役で前大阪府警備業協会会長の松田敦嗣氏(70)が旭日小綬章を受章した。

【松田敦嗣(まつだあつじ)氏経歴】1976(昭和51)年3月に日本警備通信の取締役副社長就任。59年5月、同社代表取締役に就任し現在に至る。

 大阪府警備業協会では、1995(平成7)年に理事。10年に副会長、18年4月に協会会長と近畿地区警備業協会連合会会長に就任。同5月に全国警備業協会副会長。24年4月に協会理事に就任、現在に至る。

受賞歴は平成15年、日本警備通信が警備業功労団体として大阪府警本部長と大阪警協会長との連名表彰を受賞。17年、警備業功労者として大阪府警本部長と大阪警協会長との連名表彰。18年、警備業功労者として全国警備業協会から会長表彰。23年、警備業功労者として警察庁長官と全警協会長との連名表彰を受賞。

浪速警察署警察署協議会委員、地域交通安全活動推進委員、信号守らせ隊隊員、浪速交通安全協会副会長、浪速警備業連絡協議会会長、浪速防犯協会本部理事などを務める。

松田氏の話 この度、はからずも平成28年秋の叙勲で栄えある旭日小綬章を賜り、感激の極みでございます。これも警備業界諸先輩方の長年にわたるご指導の賜物と感激いたしております。この勲章に恥じないよう、さらに業界発展のため全力を尽くしてまいる所存であります。

岐阜県警備業協会「警備の日」コンクール2016.11.11

岐阜警協「警備の日」コンクール<作文の部>は、小学校3年から6年を対象に募集し、応募があった6作品全てが受賞。警備員をしているお父さん・お母さんに向け、感謝と尊敬の気持ちをつづった子どもたちの文章が集まった。※[ ]内は父または母が勤務する警備会社名。

<金賞>お父さん、ありがとう

岐阜市立長森南小3年 川田紫音さん[名岐サービス]

私のお父さんは、私が起きた時にはもう仕事に行っています。この前、お父さんに「朝早く出かけて仕事はあるの?」と聞きました。「移動や準備、皆が無事に家に帰れるようにいろいろな事をしなければいけないので、早く行かなければいけないんだよ」と教えてくれました。

お父さんは、警備の仕事をしています。警備の仕事には車のゆうどう、イベント会場の整理、ショッピングセンターなどの駐車場整理など、いろいろな種類があるみたいで、春にはサクラ祭り、また夏には花火大会なんかにも出かけます。

私が知っているのは学校までの道で工事の時に立っている警備の人ぐらいで、あまり忙しくしていないようなので、どんな事をしているのか聞いてみました。「工事の現場を通る人や車が事故にあわないように注意してまわりを観察しているので、あまり忙しく見えないのかな」と言っていました。「だけど、皆が安全で工事が無事に終わるためには、お父さんの仕事は重要なんだよ」と教えてくれました。

「工事以外でも車のゆうどうや整理は危険な事も時々あるみたいで、とっても気をつかうんだ」と言っていました。安全運転の人ばかりではなく、交通ルールを守らない意地悪な人がいたり、状況の判断がうまく出来ないお年寄りなんかもいるようで、一歩間違えればひかれそうになる事も時々あるそうです。車は便利だけど、乗っている人はまわりの人の事をもっと考えて安全に、やさしく運転しなければいけないと思いました。お祭りなんかの車のゆうどうがない仕事でもいろいろな人がいるので、ずーっと気を張っていてとても疲れると言っています。いつも仕事から帰ってきたら早く寝てしまうけれど、理由が少しわかったような気がしました。今度、帰ってきたらゆっくり休めるように何かしてあげようと思います。

お父さんの仕事は立っているだけだと思っている人が世の中には多いみたいで、工事現場でも駐車場でも怒られたりひどい事を言われたりするけど、「無事に安全に工事やイベントを行うためには絶対必要なんだよ」とお父さんはよく言います。

私は思います。「皆が安全に車で移動したり、きれいな花火を楽しんだりしているかげには、お父さんのような人ががんばっているんだな」と。

でも他の人の安全を守ってお父さんが事故にあったり危険な目にあったりするのはイヤです。警備の人がいる所には危険な事があり、お互いが相手の事を考えてゆずり合う事が大事だと思います。お父さん、安全に気をつけてがんばって。そして、ありがとう。

<銀賞>ぼくのお母さんは警備員

各務原市立中央小6年 森拓斗くん[SOKAN]

ぼくのお母さんは警備員です。お母さんは、春も夏も秋も冬も、どんなときでも警備員をしていて、ぼくがお母さんの仕事を見たことのある場所は、花火大会やお祭りの時です。それ以外も普通の道路の工事や高速道路の警備にも行くそうです。

ぼくは、お母さん以外の警備員さんをいろいろな所で見ます。夏の暑い日でも冬の寒い日でも、雨の日でも「いつも皆の安全を守ってくれているな」と思います。そんな仕事をお母さんもしているので、ぼくはうれしいです。お母さんが警備の仕事に行って疲れて帰ってくると、ぼくはたまに足を踏んであげたりマッサージをしてあげます。

なかなかお母さんが警備の仕事をしている所を見る時はないけれど、他の警備員さんを見ると「がんばって下さい。皆の安全を守ってくれてありがとう」と言えないけれど、心の中で思っています。

車の案内をしたり危ない仕事だと思うので、皆の安全を守ってくれるお母さんや他の警備員さん達も、ケガとか事故にあったりしないといいと思います。お母さんは腰が悪いので痛くならないといいなと思います。

ぼくは大きくなったら、前は「警備員さんになりたくない」と思っていました。どうしてかというと「悪い人に刺されたらいやだなあ、痛いなあ、こわいなあ」と思っていました。でもお母さんに聞いたら違いました。「思っていたより、かっこいいのかもしれない」と思いました。

だから、他にも「大きくなったらなろうかな」って事はあるけれど、警備員さんにも少しだけど「なってもいいかな」って思うようになりました。ぼくはまだ子供なので、弱くて泣いてしまうこともあります。大きくなったら強くなりたいです。強くなって、お母さんや皆の安全を守ってあげられる大人になりたいです。

<銅賞>ダディーは正義の味方

可児市立桜ヶ丘小5年 安江志苑くん[日本ガード]

ぼくの家は、お父さんとお母さんと2人のお姉ちゃんの5人家族です。

お母さんはアメリカとフィリピンのハーフで、ぼくはお父さんのことを「ダディー」、お母さんのことを「マミー」と呼んでいます。

ダディーはガードマンの仕事をしていて、ぼくが小学校2年生の時、「ダディーはどんな仕事をしているの?」と聞いたことがあります。その時ダディーはにっこり笑いながら「ダディーは人の命や財産を守る仕事をしているんだよ」と教えてくれました。ぼくは「じゃあ、正義の味方だね」と言うと、ダディーは笑いながらぼくの頭をなでてくれました。

ダディーの仕事は夜もあって、朝家に帰ってくると、とても疲れた顔をしています。でも、ぼくの顔を見ると、いっしょにゲームやバスケをして遊んでくれます。

ダディーが仕事で家にいない時は、マミーとお姉ちゃんだけなので、とても心細いです。だからぼくは、ダディーがいない時は正義の味方になって、マミーとお姉ちゃんを守るガードマンになると決めました。

ダディー、いつまでも元気で、ぼくの正義の味方でいてください。

<奨励賞>私の町の女性警備員さん

北方町立北方小6年 朝日麻未さん[名岐サービス]

私の家の近くで、道路をきれいにする工事をしています。私がその道を車で通った時、道路工事で一方通行でした。赤旗で止まりました。白旗になった時、車の中からだったけど、私が「ありがとうございます」とお礼を言ったら、その警備員さんが返してくれてとてもうれしかったです。

だから、私は警備員さんはすごいと思います。特にすごいと思うのは、女性警備員さんです。その理由は、日差しの強い夏でも寒い冬でも男性警備員さんと同じ仕事をして、道路工事などの時に歩行者や自転車に乗っている人の安全を守ってくれているからです。

工事で一方通行になっている時も、赤旗と白旗で車がスムーズに通る事ができるようにして安全を守っているので、すごいと思いました。だから私の町は安全なんだな、と思いました。

これからも、男性警備員さんと女性警備員さんが力を合わせて、私の町の安全を守ってください。

<奨励賞>私のお父さんは警備員

一宮市立木曽川西小6年 有馬玲菜さん[安全警備]

私のお父さんの仕事は、私服警備、通称「万引きGメン」です。4年前に「悪い事をする人が一人でも減るといいな」と言って、料理の仕事から転職しました。

仕事内容は、スーパー、ホームセンター、書店などの施設でお金を払わず持って行く「万引き」やお店の害になる事をする人を監視、対応する仕事です。この仕事は、犯罪する人に声をかけ対応するために危険と隣り合わせだと聞いています。時には制服を着て店内を警備し、未然に悪い人が悪い事をしないように防止する事もあるそうです。

平成24年9月に行われた岐阜国体では制服を着て、来場する人が安心かつ安全に国体を楽しめるように警備もしたそうです。

私服警備員という仕事は、あまり知られていません。万引きを減らすためには私服警備員が必要です。万引き犯は、年々減少の傾向にあります。万引きが減ったのも私服警備員、制服警備員の能力や技術などによって減ってきたと思います。万引きをする人をつかまえる事は簡単ではありません。

万引きする人をつかまえるには、現行犯でなければなりません。商品を手に取り自分の荷物の中に入れるのを、確実に見届けない限り、つかまえる事は出来ません。万引きがどれだけ悪い犯罪か、私服警備員の仕事をしているお父さんを見て、改めて分かりました。

日本の安全のために警察官はとても大切な役割の仕事だけど、まだまだ知られていない警備員も、安心安全を作る大切な仕事です。

一人でも犯罪を犯す人が表れないように日々頑張っている警備業の人々の役割が分かって、良かったと思います。その仕事をしている私のお父さんは、とても素敵で自まんのお父さんです。

<奨励賞>お母さんは警備員

岐阜市立明郷小6年 林泰良くん[サンライズ]

お母さんは警備員です。仕事があるときは出かけていて、仕事がないときは家の家事をやっています。朝早い時は午前5時30分に出て行って、夜は遅いときは午後8時ごろに帰ってきます。ぼくたちは、近くのおばあちゃんの家に居ます。

夜遅くに帰ってきて家の家事をやっているので、すごいと思います。

毎日働いていて、ぼくたちの事を見てくれて、お母さんありがとう。