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クローズUP

警備員守る取り組みを2020.06.01

総会2020

栃木警協

チャレンジ、一丸で

1997年から23年にわたって協会運営に務めた青木勲会長(北関東綜合警備保障・代表取締役会長)が退任し、顧問に就任した。新会長には青木靖典氏(同・代表取締役社長)が選任された。

青木勲会長は「コロナ禍の中で、警備業は改めて危機管理能力を問われ、社員を守る取り組みが重要になっている。社員は企業の財産だ。適正な警備業務を推進し、労災事故の防止に万全を期さなければならない。より働きやすい職場環境づくりを進めるなどして、新たな時代に一層の業界発展を目指し、まい進してほしい」と呼び掛けた。

青木靖典新会長は「警備料金や教育など業界の課題が多い中、決意を新たにチャレンジしていきたい。東京五輪・パラリンピック、栃木国体を控え、社会に貢献し安全安心を提供する警備業として、会員一丸で取り組むことが大切になる」と協力を求めた。

役員改選で協会初となる女性理事2人が就任した。協会活動に“女性目線”を取り入れ、警備業PRなどに取り組む。

徳島警協

山下氏、再度会長に

昨年会長に就任した牛田稔会長(アルファ)が退任し、山下秀夫氏(ALSOK徳島)が1年ぶりに会長に復帰した。

牛田会長は「各社ともコロナ感染まん延の影響で、業務運営に苦労していることと推察している」と会員をねぎらった。

山下新会長は「自粛気運が高まり業務運営は大変だが、全国警備業協会が作成した感染予防対策ガイドラインに沿い、協会で一致団結して乗り切りたい。再度、会長に選任され、業界・協会の一層の発展に向けて尽力していきたい」と抱負を述べた。

岡山警協

3つの参考資料配布

役員改選は松尾浩三会長(近畿警備保障)の続投が決まった。同会長は「感染防止のため交通誘導警備業務2級特別講習や現任教育などの各種講義はやむなく中止または延期となった。緊急事態宣言が解除され、これからの事業計画は、コロナウイルス第2波・第3波等の状況を見ながらできる限り実施したい」と今後の抱負を述べた。

同会長は「講習ができない分、各社で参考になる資料を配布させていただく。業務の参考に役立ててほしい」と呼び掛けた。

同警協は会員各社に「警備業法施行規則の一部改正に伴う配置基準の変更」、「県内交通誘導警備業務献呈合格警備員の配置路線の変更」、「警備員の教育内容のポイント」の3つの資料を配布した。

特集ワイド 警備業の感染予防2020.06.01

新型コロナウイルス感染症拡大を受け、全国に出されていた「緊急事態宣言」も段階的に解除され、5月25日には全ての宣言が解除された。一方で感染の「第2波」なども指摘される。全国警備業協会(中山泰男会長)は5月14日、「警備業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」を策定した。警備業では今後、感染防止のための「新しい生活様式」を実践しつつ、同ガイドラインに基づいた事業活動の展開が求められる。

政府は5月14日、39県の「緊急事態宣言」を解除した。その際、業界団体などに企業が事業再開の際の指針とするための「感染防止のためのガイドライン」作成を要請。これを受けて全警協など81業種118団体・企業がガイドラインを作成した。

「全警協ガイドライン」は厚生労働省などが示した感染防止策を踏まえつつ、警備業の特性を加味した。

◇業務実態に応じて

「基本的予防策」は(1)健康管理(2)通勤(3)勤務・教育(4)休憩・仮眠(5)警備車両・装備品・設備――など警備会社の日常業務での取り組みを示した。

「健康管理」は感染防止対策の基本。警備員と内勤者(以下「警備員等」)には、出勤前に体温や症状の有無を確認させ、具合の悪い人は必ず管理者に報告させた上で自宅待機とする。勤務中に具合が悪くなった場合には、直ちに帰宅させて自宅待機とする。

発熱や具合が悪くて自宅待機となった警備員等については、健康状態を毎日確認し、症状に改善が見られない場合は医師や保健所への相談を指示する。

“直行直帰”の警備員には、上下番時に健康状態について報告させるとともに、定時報告の回数を増やして健康状態を把握する。

「通勤」は、可能な限り徒歩や自転車利用の併用、自家用車などの利用を促し、通勤時の第三者との接触による感染予防を図る。公共交通機関を利用する場合は、可能な限り時差通勤を行い、マスクを着用させる。

日常の「勤務・教育」の取り組みでは、出勤直後や休憩後など定期的な手洗いを徹底させ、事務所内の出入り口などには、手指消毒液を配置する。

打ち合わせなどで契約先関係者と接触する際は、マスクは外さず、可能な限り2メートルを目安に一定の距離を保つ。

勤務中は、マスクと手袋などを装着。特に巡回や現場の対応時は、必ず手袋を装着し、脱いだ後は石鹸と流水で手を洗い、適宜手袋の消毒を行う。

朝礼や警備員教育は、小グループで行い、大人数が一度に集まらない。更衣室の利用が必要な場合も、時差利用を行い、混雑や接触を避ける。

業務に応じて可能な場合には、区域の整理(ゾーニング)、テレワーク、オンライン会議、ローテーション勤務を行い、社内に「3つの密」をつくらない。また、制服や衣服は、こまめに洗濯するよう指導する。

「休憩・仮眠」では、休憩室への入退室前後の手洗い徹底をはじめ、喫煙を含めて休憩や仮眠をとる場合には、(1)2メートル以上の距離を確保するよう努める(2)一定数以上が同時に休憩スペースに入らない(3)屋内休憩スペースについては換気を行う――など「3つの密」を防ぐ。

休憩室などで飲食する場合は、「時間をずらす」「椅子を間引く」などにより、2メートル以上の距離を確保する。施設の制約などで距離確保が困難な場合は、対面で座らない。

コップなど口が触れるようなものは、使い捨てにするか個人別とし、複数で使いまわさない。仮眠室の寝具も可能な限り個人ごとの配付とし、他の人と共用しない。

「警備車両・装備品・設備」については、警備員交代などのタイミングで定期的に消毒する。警備ロボット搭載のタッチパネルなど不特定多数が触れる設備や機器についても同様に定期的に使用毒する。

ドアノブやテーブル、椅子、電気のスイッチ、電話、キーボード、タブレット、タッチパネル、手すり、エレベーターのボタンなどの共有設備は、頻繁(例えば午前1〜2回、午後1〜2回など)に洗浄・消毒する。

トイレのハンドドライヤーは止め、共通で使うタオルは置かない。

事務所全体や個別の業務スペースの換気を行う。具体的には、風の流れができるよう、2方向の窓を1回につき数分間程度全開にする。換気回数は毎時2回以上確保する。

警備車両に複数名で乗車する場合も、業務に応じて窓を開けるか、車両備付けの換気機能を活用して換気する。

◇警備業務区分ごとに

施設、雑踏・交通誘導、貴重品等運搬、身辺の4つの警備業務区分に応じた「感染リスク評価と感染予防策」では、各業務の感染リスクを明示。ガイドラインは、それぞれの感染防止対策のあり方を示した。

▽施設警備業務

施設警備に従事する警備員は、施設内の拾得物を取り扱う機会が多い。拾得物からのウイルス感染を防止するため、拾得物などを扱う際は、手袋を着用するとともに、拾得物扱い後は手指をアルコール消毒する。

空港などで手荷物検査に従事する警備員は、荷物や身体検査のため乗客の身体に触れるため、飛沫感染や接触感染するおそれがある。検査の際は、手袋とマスクを着用するとともに、こまめに手指をアルコール消毒すること。

防災センターや監視センターなどでの複数勤務の際は、警備員間で2メートルの距離を確保する。距離確保が困難な場合は、飛沫感染・接触感染を防止のためにビニールシートやガラス、ポリカーボ枠などの物理的な囲いを設ける。

▽雑踏・交通誘導警備業務

雑踏・交通誘導警備に従事する警備員は、不特定または多数の人と応接する機会が多い。また、業務用資機材の誘導灯・手旗・ハンドロープなどを複数の警備員で使用するため資機材を介しての接触感染のおそれも高い。資機材はこまめにアルコール消毒し、警備員は手袋とマスクを着用する。また、広報の際は拡声器を用いる。

▽貴重品等運搬警備業務

貴重品等運搬警備車両は通常、警備員2人1組で使用するが、車両の窓ガラスは防犯上、開けることが好ましくない。警備員はマスクを着用し、相勤者との不要な会話を控え、車両備付けの換気機能を活用して運搬用車両内を換気する。

▽身辺警備業務

身辺警備の警備員は、警備対象者と車両や電車、航空機内で行動を共にする。警備対象者の家族同様に濃厚接触者となるおそれがあるため、警備員はマスクを着用する。