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クローズUP

「外国人活用には言葉の壁」2024.11.11

中部地区連 秋季会議で議論

中部地区警備業協会連合会(小塚喜城会長=愛知警協会長)は10月28日、福井県あわら市内で「秋季会長等会議」を開いた。中部6県の会長と専務理事、全国警備業協会からは村井豪会長、黒木慶英専務理事、小澤祥一朗総務部次長が来賓として出席した。

会議冒頭、1月の能登半島地震に続き、9月の能登豪雨で協会加盟社にも被害のあった石川警協の上田紘詩会長に、小塚地区連会長が「見舞金」を手渡し早期復興を呼び掛けた。

小塚会長はあいさつで、前日27日に投開票が行われた衆院選の結果に関し「(各党が公約に掲げていた)最低賃金1500円も前倒しで実施されるのではないか。影響は大きく、業界として真剣かつ重要な問題として取り組まなければならない」と述べた。

会議では「労働力確保に向けた女性と外国人の活用」をテーマに、各県協会が自県の現状や取り組みを報告した。

外国人活用については、いずれの県も目に見える成果が上がっていないことが明らかに。原因として「日本語の読み書きができない」「現状の日本語能力では緊急時の対応ができない」など“言葉の壁”が障害となっていることが浮き彫りとなった。賃金については「外国人の要望は高く、交通誘導警備業務で対応できるのは(料金の高い=賃金の高い)高速の規制業務ぐらい」などの声が相次いだ。

全警協の村井会長は「(人手不足対応のためには)女性や外国人の活用は選択肢のない問題。処遇改善や職場環境の改善など乗り越えざるを得ない」と議論を総括した。

特集ワイド 広がる「警備の日」2024.11.11

「11月1日は警備の日」。全国警備業協会制定の記念日となって10年目、警備業のイメージや認知度をより一層高めようと、それぞれの警備業協会がキャンペーン活動を展開した。マスコットキャラクターを起用したテレビCMや街頭活動、警備員の写真コンクール、警察と連携した広報啓発、小・中学生による書道展、表彰式開催などPRの輪が各地で広がった。

秋田警協

秋田県警備業協会(鈴木伸也会長)は、地元テレビ局の秋田テレビ(AKT)で「警備の日」をPRするテレビCMを10月18日から28日に10本放映した。

CMは、協会マスコットキャラクター「ガリット」が登場。警備員として「施設警備」「交通誘導」「貴重品輸送」「身辺警護」に取り組む。女性アナウンサーのナレーションは「11月1日は警備の日。54の加盟会社が秋田を守ります。秋田県警備業協会」。さらにガリットは、全国警備業協会マスコットキャラクター「ガードくん」と静止画のイラストで“共演”した。

ガリットは、警備業を一般にPRすることを目的に青年部会(宮田崇志部会長=出羽警備)の企画で制作され、広報活動に活用されている。協会は、7月に秋田テレビが主催したイベント「AKT夏まつり」にブースを出展した。出展は有料で、付帯企画として15秒のスポットCM10本を放映できることになった。

青年部会は「CM映像をどのようにするか」と検討。「加盟会社間の公平性」を意識し全社の警備員の写真を使うなどの案もあった。宮田部会長は「さまざまな機会に広報活動を行い、秋田の警備業を盛り上げるための活動を青年部会として行っていきたい」と話している。

大阪警協

大阪府警備業協会(池田博之会長)は、大阪市阿倍野区内の商業施設とJR新大阪駅で「警備の日」をPRした。同駅の構内では大阪府警察と合同で特殊詐欺など犯罪被害の防止も訴えた。

今回、大阪警協マスコットキャラクター「大阪まもりちゃん」が“着ぐるみデビュー”した。大阪まもる君とコンビを組み、息の合った動きで家族連れなどにアピール、キャンペーンを大いに盛り上げた。

大阪まもりちゃんは「LINEスタンプ」として販売中で、「大阪まもる君と一緒に警備のお仕事の大切さを知ってもらうため活動しています。いつかあなたと会える日を楽しみにしています」とコメントしている。

協会役員、未来改革広報特別委員会、防犯・災害支援対策委員会、総務委員会、女性部会「ひまわり会」、青年部が参加した。

群馬警協

群馬県警備業協会(山﨑松惠会長)は「警備の日」記念行事として、7回目の「書道展覧会」を群馬県農協ビル(前橋市)で開催した。

同展覧会は「書道を通じて青少年の健全な心身育成と書道の普及・発展に寄与すること」を目的として2017年に始まった。今回は前橋・高崎両市内の子供たちから460点の応募があった。審査は9月28日に群馬県書道協会(丸橋鳴峰会長)の役員4人が行い、「線が強く引けているか」「止め・払いがきれいか」などを見て受賞作品を決めた。

都合により欠席した山﨑会長のあいさつを相羽正夫副会長が代読。受賞者に向けて「おめでとうございます。本日の表彰を日々の糧にして今後さらに書の道に精進し、地域社会を支える立派な社会人となることを期待しています」と述べた。

授賞式では群馬県警備業協会賞、群馬県警察本部長賞、群馬県警生活安全部長賞などを受賞した61人に賞状が手渡された。

学年ごとの課題語句は▽中学3年生「大願成就」▽同2年生「晴耕雨読」▽同1年生「治安維持」▽小学6年生「安全確認」▽同5年生「防犯の日」▽同4年生「明るい声」▽同3年生「のぞみ」。

長野警協

長野県警備業協会(竹花長雅会長)は長野駅コンコースで広報啓発活動を行った。配布用の物品を300セット用意。全警協から提供を受けたクリアファイル、ポケットティッシュ、チラシをセットにし「11月1日は警備の日」と書かれたボールペンを挟んで駅利用客に手渡した。

活動には長野警協4地区会のうち「北信地区会」から38人が参加した。長野中央警察署の署員ととともに、多発する特殊詐欺への注意を呼び掛けるチラシも配布した。県警のマスコットキャラクター「ライポくん」の参加が“集客”につながり、効果的な活動になっていた。

滋賀警協

滋賀県警備業協会(井上雅裕会長)は、滋賀県警察とタイアップして交通安全啓発イベント「きら☆ピカ三方よし」を大津市内の複合商業施設の広場で行い、合わせて「警備の日」をPRした。

イベントは高齢者の交通安全に向けて「時間帯よし」「反射材(きら☆ピカ)よし」「確認よし」を呼び掛けるもので、協会会員約30人が参加。贈呈式では、井上会長が県警の舩越剛之交通部長に交通安全啓発品として、腕などに巻き付けるスヌーピーの反射材300個、2ウェイLEDライト200個を寄贈した。

井上会長は「三方よしで、交通安全に協会として全面的に協力します」とあいさつした。

県警マスコットキャラクター「けいたくん」も参加。吉本興業所属の“滋賀県住みます芸人”ノーサイドによる交通安全漫才が行われ、多くの人が集まった。

会員は警備制服姿で、贈呈した啓発品を通行する人々に手渡し「交通安全」と「警備の日」をアピール。活動の様子と井上会長インタビューは、びわ湖放送のニュースで放映された。

岐阜警協

岐阜県警備業協会(幾田弘文会長)は11月1日、「写真・労働災害事故防止標語コンクール」表彰式を協会内で行った。

今回は写真45点、標語208点が集まった。写真の優秀賞に「私と花みこし」(仁川由衣さん=ベストサービス)が選ばれた。

「全国地域安全運動」期間中の10月18日には、幾田会長や青年部会員ら18人が岐阜南警察署生活安全課員5人と連携して岐阜市内のスーパーマーケットで広報啓発活動を行った。

全警協マスコットキャラクター「ガードくん」と岐阜県警マスコット「ライ」「レン」が登場。子供たちから「マスコットの名前は何ていうの?」と聞かれるなど関心を集めた。

茨城警協

茨城県警備業協会(鴨志田聡会長)は「警備の日」に合わせて、表彰式と労働安全衛生大会を水戸市内で行った。

式では、警備業功労者として島村宏氏(日警、前茨城警協会長)を県警本部長と協会長の連名で、警備員指導育成等功労者として羽田晃氏(セコム茨城統轄支社)を県警生活安全部長と協会長の連名でそれぞれ表彰。

優秀警備員8人、優良幹部14人、優良警備員61人、適切な事務処理功労10人を協会長表彰した。鴨志田会長は功績をたたえ、「職場の意識高揚に寄与していただきたい」とさらなる活躍に期待を込めた。受賞者を代表して羽田氏が謝辞を述べ、今後も努力を重ねる決意を表明した。

式後の労働安全衛生大会では、作品コンクールの入選者を表彰した。最優秀賞は、アイデア部門で秋葉勇氏(鹿島警備防災室)、ポスター部門で吉浜新氏(ナスカ)がそれぞれ受賞した。

大会では「労働災害による犠牲者を一人も出さないという強い決意の下、安全で明るい職場づくりに向けて邁進することを誓う」とする宣言を採択した。