クローズUP
「静かなヒーロー」前編公開2025.04.21
警備員の日常描く
全国警備業協会(村井豪会長)は、警備業のプロモーション動画「静かなヒーロー」を制作し、前編を4月1日から特設サイトで公開した。都道府県警協における広報活動での積極的な活用と加盟員への周知を呼び掛けている。
動画は、警備業の魅力を内外に発信する広報活動を行うことを目的に全警協広報プロジェクトチームが制作に携わった。
主人公の警備員・一ノ瀬コウジを演じるのは、NHK連続テレビ小説「虎に翼」「カムカムエヴリバディ」などに出演し、映画や舞台などで活躍する堀部圭亮さん。画家・相川テツヤを演じるのは同テレビ小説「らんまん」などに出演した前原滉さん。コウジの娘・ユーコ役は小林桃子さん。
動画は“警備員と若き画家の静かな出会い”から始まり、警備員の日常を描く8分30秒の短編ムービーだ。後編も8分30秒で、4月から7月にかけて効果的なタイミングで公開を予定している。
全警協は「今回のプロモーション動画や書籍『学研のひみつシリーズ・警備業のひみつ』を活用し、警備業のイメージアップに向けた広報啓発活動を積極的に行う」としている。
合同で新任教育2025.04.21
東和セキュリティ スリー・アローズ
静岡県浜松市の東和セキュリティ(内山達也社長)とスリー・アローズ(小林由紀社長)は4月1日、新任教育のうち7時間を初めて合同で行った。東和セキュリティに入社の2人とスリー・アローズに入社の1人が受講した。
今回の合同教育は「他社がどのような新任教育を行っているか視野を広げるため、タイミングが合えば合同で行いませんか」と小林社長が内山社長に提案。両社に交通誘導警備員の入社が決まり、新年度が始まる同日に実施した。
教育を担当したのは3人の警備員指導教育責任者。前・静岡県警備業協会前専務理事で両社の顧問を務める佐藤真哉氏は、警備業法をはじめ法令を中心に3時間の講義を行った。
東和セキュリティ・吉川彰規業務部長は基本原則や資質の向上について講義。さらに護身用具や救急蘇生法、安全衛生教育マニュアルについて説明した。
小林社長は事故発生時の警察への連絡方法、現場保存などを中心に講義した。
受講した3人は50代後半から60代前半、うち1人はベトナム難民で永住許可を受け日本で30年以上生活している。
今回、ティア警備(静岡県磐田市)の池端直樹社長が見学するとともに、指定路線について説明した。
内山社長の話 大手企業が入社式を行う日に、合同で新任教育を行いました。関心をひく講義の話法や進め方などを確かめる良い機会になりました。
パビリオンで発隊式2025.04.21
東洋テック シンテイ警備
東洋テック(大阪市浪速区、池田博之社長)とシンテイ警備(東京都中央区、安見竜太社長)は4月7日、大阪・関西万博会場内の「大阪ヘルスケアパビリオン」施設警備隊の発隊式を行った。警備共同企業体を組む東洋テック・池田博之社長とシンテイ警備・安見竜太社長をはじめ、両社から警備員8人が参加した。
東洋テックの池田社長は「警備の一翼を担い世界中から集まる方々の安全を守ることを誇りに思ってください。各自が健康に留意し、警備業だけでなく警察や清掃などさまざまな人たちとの連携が必要であり、コミュニケーションと『おもてなしの心』を忘れないようにしてください」と訓辞した。
4月4日から6日まで行われた、大阪・関西万博に試験的に来場者を招く「テストラン」を受け、池田社長は、テストランで新たに確認したことも踏まえた冷静な対応を呼び掛けた。
施設警備隊を代表して東洋テック2025大阪・関西万博推進部の石井大地警備隊長が発隊の表明を力強く表明した。
社名「ALSOK」2025.04.21
7月16日に変更
綜合警備保障(東京都港区、栢木伊久二社長)は4月8日、社名をALSOKにすると発表した。創立60周年を迎える7月16日に変更する。
ALSOKは「ALWAYS SECURITY OK」を短縮したもの。同社は1965年7月の創業以来、「綜合警備保障株式会社」を商号としてきた。2003年からコーポレートブランドとしてALSOKを使用。一層のブランド価値の向上を図るため、社名と統一する。6月25日の株主総会で承認を得る。
また、株主総会では、定款の目的に「特定技能外国人支援に関する事業」を追加することの承認も得る。
同社グループでは、介護・FM(ファシリティマネジメント)分野で外国人技能実習生、特定技能実習生の受け入れが進んでいる。同社は「警備分野においても外国人材の活用が検討される中で今後、警備業界で外国人の受け入れが本格化した場合に備えるため定款の目的に加える」としている。
特集ワイド 物価高騰を反映?2025.04.21
25年主な公共入札結果
東京都や法務省、警察庁など中央省庁が2025年1月から3月に実施した警備業務の入札結果を本紙は独自に集計した。このうち東京都では5年前より落札額が下回った事例が複数あった。物価や人件費の上昇が続く中、落札額は一律的に上がっていない理由を東京都の入札制度担当者に聞いた。
本紙は5年前(20年)にも東京都の入札結果を紹介。当時と同一名称の案件を比較すると、前回調査時の落札額を大幅に上回った案件がある一方、下回っている案件も複数確認された。
物価や人件費が上昇する中、公共発注における警備業務の入札価格は本来であれば上昇傾向となるはずだが、価格にばらつきがみられる。
都の担当者は「同じ案件名でも人員配置や業務時間、警備範囲などが毎年変化しており、単純な金額比較はできない」と説明する。
都発注の警備業務の入札は、建設工事や印刷役務と異なり、最低制限価格制度が本格導入されていない。一部の部局では、極端に安い価格を排除する失格基準価格を設定しているというが、その運用や基準は部局ごとに異なり、統一性を欠いている状況だ。
また、発注者が業務仕様を詳細に明示していない案件の場合、警備業者が仕様を過小に見積もって入札することも可能となり、結果として低価格競争を助長する一因となっている。人件費を圧縮するなどして落札すれば、必要な警備人員を確保せず、現場運営に支障が出るおそれがある。
東京都警備業協会は23年から都に対して、最低制限価格制度や低入札価格調査制度の導入、警備業務の種類ごとの適正な予定価格の設定、総合評価落札方式の活用などを要望している。都側は「昨今の物価高騰を反映した予定価格の設定に努める」と回答した。
公正取引委員会が策定している「事業者団体の活動に関する独占禁止法上の指針」により、業界団体が加盟社に入札価格についての指導を行うことには制限がある。実情に即した仕様策定を発注者に求めるなど、改善と業界の健全化を目指すアプローチが求められている。
政府機関が1月から3月に発注した警備業務は23機関合計で543件(4月15日時点)。