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クローズUP

ALSOK 東京都と協定2025.02.11

大規模水害に備えて

ALSOK(東京都港区、栢木伊久二社長)は、東京都(小池百合子知事)と「広域避難先の開設運営及び警備等に関する協定」を1月20日に締結した。

協定の内容は「大規模水害」が発生する恐れがある場合に、都は大規模な広域避難先で(1)開設運営に関する業務(2)避難者誘導に関する業務(3)警備に関する業務の実施を要請する――というもの。

今回の協定は「『未来の東京』戦略」を推進する都の事業の一環として結ばれた。広域避難先として国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)などが想定されている。

協定締結式には東京都・栗岡祥一副知事、ALSOK・宮島裕常務執行役員が出席した。

コアズ新社長に加藤氏2025.02.11

小塚社長は会長に

コアズ(名古屋市)の小塚喜城代表取締役社長は1月30日付で退任し代表取締役会長に就任、後任の代表取締役社長には取締役副社長の加藤僚氏が就任した。

加藤僚(かとう・りょう)氏 69歳。愛知県警察、野村證券を経て2020年4月コアズ入社、取締役副社長就任。

特集ワイド 「関東」総力挙げて2025.02.11

青年部会の「統一事業」

地区警備業協会連合会(地区連)青年部会の中で「関東」は2022年、全国に先駆けて発足した。同じ課題が長きにわたって警備業界で横たわる中、この世代に期待されているのは発想力や発信力だ。関東地区連青年部会(髙里憲悟部会長=神奈川警協青年部会長、アスカ)では、県の枠を越えた「統一事業」を2年続けて行った。警備業の認知度、魅力の向上に結び付けている。

警察と防犯啓発

関東地区連青年部会は、10県の警協青年部会で構成し、「全国最大規模」を誇る。活動方針に関東の総力を挙げた「統一事業」を掲げ、警察と連携した防犯啓発に取り組んでいる。活動内容については各県の判断に委ねている。2年目に当たる2024年は、警備業界マスコットキャラクターの「ガードくん」をリレーさせることを統一事業にプラスした。

防犯啓発の一つは、高齢者を中心に被害が相次いでいる「特殊詐欺」。24年の主な活動例として、茨城、静岡は年金支給日に合わせ、金融機関前で啓発品を配布した。栃木は、芸能人が一日警察署長を務めた行事に参加し、注意喚起を行った。

新潟は、人通りが多い場所を選んで活動。地元テレビ局の取材が入り、ニュース番組で映像が流れた。

「建設まつり」「県民の日まつり」「まんまるマルシェ」――。山梨は、参加した3イベントで来場者の防犯意識を高める活動を行うとともに、地域に密着した警備業をPRした。

長野は「年末年始特別警戒・交通安全運動出発式」で県警の情報発信ツールへの登録を呼び掛けた。

闇バイト、痴漢・盗撮対策

闇バイトへの注意を若者に呼び掛けるオリジナルポスターを作製した埼玉は2024年、ポスター配布先の城西大学で防犯講演会を開いた。

闇バイトは、高額報酬などを誘い文句として、SNSでアルバイトを募集。応募した若者が強盗などの事件に実行犯として関わっており、大きな社会問題になっている。

防犯講演会では、元刑事のコメンテーターを講師に招いて、闇バイトの手口やSNSの危険性について語ってもらった。参加した学生は300人以上にのぼった。

埼玉は「ゼロからイチを生み出す」として先例のないことに取り組んでいる。今年の関東地区連青年部会の総会では、ポスターに関する提案をした。警備業による闇バイト対策の輪を広げたいと、ポスター内の「埼玉県警備業協会青年部会」の表記のうち、埼玉県の部分を各県に変更してもらい、活用してもらうアイデアを出した。

千葉は24年、商業施設内で行われた「痴漢撲滅キャンペーン」に参加した。県警とともに作製した防犯グッズを来場者に配布した。

グッズは反射キーホルダーで、お守りの形。「痴漢・盗撮除」の文字を入れ、800個ほど作った。バッグに付けてもらうことで犯人を寄せ付けないことにつながればと考えた。

警備員アンケート

関東地区連の各県青年部会では2024年、各県独自の活動にも取り組んだ。

群馬は県内警協会員会社の警備員を対象としたアンケートを行い、138人から回答を得た。年代別でみると、60代が31%で、50代22%、40代16%、70代以上14%、30代12%、20代4%、10代1%。業務別では交通誘導と施設警備が全体の85%を占めた。警備員になったきっかけを尋ねたところ、「生活費の補てん」「早期再就職のため」といった回答が寄せられた。

警備の仕事については全体の93%が「重要だと思う」、71%が「満足している」と回答。一方で、65%が「給料・待遇面」、14%が「職場環境」の改善を課題として挙げていた。業界のイメージアップが必要との声もあった。

職業体験学習

神奈川は、県内の中学校で行われた職業体験学習で講師を務めた。「知っている職業を、なりたい職業に挙げることが多い」として、学習を通じ、警備業の将来の担い手につながることに期待を込めた。

職業体験学習は2回に分けて行われた。講師役の青年部会員は、6月の1回目で警備の仕事や業界の課題について説明。12月の2回目では、生徒たちが説明を受けて考えをまとめたというプレゼンテーションに聴き入った。

総会で意見交換

1月に開かれた関東地区連青年部会の総会では活動報告とフリートークが行われ、さまざまな意見があがった。一部を紹介する。

▽「ガードくん」に力があることを実感した。来てもらって、マスコットキャラクターはいいなと思った。着ぐるみを増やしてほしい。

▽事業効果を単年度で考えると厳しいが、警備業の魅力を発信できる「統一事業」はありがたい。

▽活動自体が楽しくないと、部会員の足が向かなくなる。明るい雰囲気をつくるように心掛けている。

▽コツコツとやってきたことが、警察からの感謝状という形で評価され、部会員の目の色が変わった。意見を活発に出すようになった。

▽エッセンシャルワーカーの業界が一緒になって、賃金を上げていく必要がある。警備員を増やす一つの道は手取り収入を2倍にすること。