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クローズUP

警備業の未来と子どもたち2026.01.01

少子高齢化の中、多くの業種が若手人材の確保を競う時代。社会の仕組みを知り職業について学ぶ子どもたちに「警備員の重要な役割」を伝えることは、警備業のイメージアップと長期的発展のため欠かすことはできない。

交通誘導警備を体験

SHINWA(松山市、松岡仁美代表取締役)は、愛媛県松前まさき町内で開催された「Out of KidZania(アウト オブ キッザニア)in えひめ」に11月1日と2日、ブースを出展した。

小学1年生から中学3年生の男女24人が、同社の社員とともに「交通誘導警備の仕事体験」に取り組んだ。

キッザニアは子どもを対象とする職業・社会体験施設。メキシコで発祥し世界に展開、国内には「キッザニア東京」など3施設がある。施設を飛び出して実社会の仕事を体験できる「アウト オブ キッザニア」は、自治体や企業、団体と連携し全国各地で開催されており、今回は26種類の職業体験に多くの子どもたちがトライした。

同社は地元企業としての地域貢献、警備業の認知度向上を目的として松岡代表をはじめ10人が参加。子どもたちはユニフォームを着用し、地域社会で警備業が担う役割やAI(人工知能)活用について学んだ。その上で敬礼などの基本礼式、誘導灯を使う合図の訓練を受けた。

「片側交互通行」の現場を再現するため、電気で走る模型自動車「スロットカー」を使用。社員から「警備計画」を説明され指導を受けた子どもたちは、2人1組で車の停止・進行を合図して安全を守った。完了後は「警備実施報告書」にサインをもらった。

松岡代表から、ねぎらいの言葉とともに給与明細(会場内の指定店舗で使える専用通貨の引き換え証)を手渡され、子どもたちは満面の笑顔。「警備員さんの仕事がよくわかった」「警備員さんを見かけたら、今日の体験を思い出します」などと話していた。

同社の平井俊専務取締役は「イメージ刷新が課題となる中、交通誘導警備を伝える新たなチャレンジです。人口減少の時代に次世代と向き合う方法を考える機会にもなりました」と述べた。

迷子に対応、無線機も

大阪府警備業協会(池田博之会長)は11月29日と30日、大阪市住之江区内で開催された地域密着の仕事体験イベント「みらいのたからばこ2025in大阪」に出展した。

人材確保の将来を見据え、子どもたちと保護者に「警備業という職業」を広報することが目的。青年部から阪本健太郎部会長(フォールズ)はじめ26人、女性部会の若林勝美部会長(ブラザーメンテナンス)と部会員、深見士理事、中谷裕二理事が参加した。事前予約した子ども100人が「警備員のおしごと体験」に取り組んだ。

警備服を着た子どもたちは「落とし物」や「迷子」に対応。無線機を使う不審者対応も体験した。規制車(標識車)で撮影し、記念品の帽子(オリジナル警備キャップ)を受け取った。

阪本部会長の話 警備に興味を持った子どもたちの真剣な表情、道路の守り神の規制車に乗って目を輝かせる姿を見て警備業界の社会的意義を改めて認識しました。交流で得た感動を糧に、地域社会から一層信頼され、子どもたちの憧れとなる警備業界を目指して取り組んでまいります。

三重で初の合同研修会2026.01.01

中部地区連青年部会

中部地区警備業協会連合会青年部会(野口明義部会長=岐阜警協青年部会長、サンライズ)は12月15日、三重県四日市市内で「合同研修会」を開いた。約50人が参加し、価格転嫁と防災をテーマに研修した。

中部地区連青年部会(構成6県)の合同研修会は今回が初めて。5県(富山、石川、岐阜、愛知、三重)から青年部会長らが参加し、来年度の青年部会発足を目指している福井からは準備委員会のメンバーが参加した。

来賓あいさつで三重警協の菊田喜之会長は激励の言葉を贈り、野口部会長は「激動の時代に青年部会の役割は非常に大きい」と述べた。

価格転嫁の研修では、全国警備業協会の小澤祥一朗総務部次長が講演。全警協作成の価格交渉リーフレットについて「交渉に行くきっかけにしてほしい」と活用を呼び掛けた。警備業の価格交渉を警察庁が支援していることに言及した。

また小澤氏は、公共・民間工事に従事する交通誘導警備員の適正賃金として国土交通省が定めた「標準労務費」について説明。47都道府県別の公共工事設計労務単価が算出のベースであることや同費を著しく下回る見積もり・契約が禁止となることを取り上げ、実効性の確保を課題に挙げた。

研修内容を企画した三重警協青年部会の五味洋司部会長(HSi)は「新しい仕組みを共有する機会になり、ビジネスモデル変革の意識付けになったと思う」と話した。

防災の研修では、三重大学の川口淳教授がオンラインで講演。阪神・淡路大震災の教訓は「自助・共助の大切さ」、東日本大震災の教訓は「想定外を想定すること」と説明。能登半島地震の被害の特徴を踏まえ、リスク評価に基づいた対策や防災教育の重要性を強調した。

中部地区連青年部会の合同研修会は構成県の会場持ち回りで開かれる。